「この会社、本当に大丈夫だろうか?」
「もしブラック企業だったらどうしよう」
初めての就職だからこその不安
転職だからこそ、失敗できないという不安
どれも自然な感情です。
理想を抱いて入社した会社が、まさかのブラック企業だった。
これは特別な話ではなく、誰にでも起こりうる「現実」です。
私は「超ブラック企業」に約3年間在籍していました。「このままではまずい」と思い、意を決して転職したものの、転職先の会社もまさかのブラック企業でした。
この記事では、2社連続ブラック企業に勤めた私の体験談を交えながら、
- ブラック企業 5つの特徴
- ブラック企業に入社してしまった場合の対処法3選
- ブラック企業を事前に回避する方法3選
を具体的にお伝えします。
この記事を読んでいただくことで、ブラック企業に入社してしまうリスクを大きく減らすことができます。
ブラック企業に、あなたの大切な時間や健康を奪われないためにも、ぜひ最後までご覧ください。
ブラック企業 5つの特徴
ここでは、私の実体験を交え、ブラック企業にありがちな特徴を紹介します。
ぜひ、ご自身の職場と比べて確認してみてください。
1-1. 長時間労働が多い
ブラック企業の大きな特徴のひとつとして、「長時間労働」が挙げられます。
「18時が定時と聞いていたのに、毎日会社を出るのが23時」というケースも。
厚生労働省が定める基準は以下の通りです。
- 月45時間以上の残業:労使協定(36協定)の上限を超える長時間労働
- 月80時間以上の残業:健康障害のリスクが高まる「過労死ライン」
- 月100時間超の残業:強い健康障害リスクが認められるレベル
実際私が働いていた会社は、1ヵ月あたりの残業時間が100時間を軽く超えていました。
過度な長時間労働は「メンタル不全」や「心筋梗塞」「脳卒中」などの重大な健康被害を引き起こすリスクがあります。ぜひ、自分の残業時間を確認してみてください。
1-2. 休日・有給休暇が取得できない
ブラック企業では「休日の形骸化」や「有給休暇の取得拒否」が、当たり前のように行われています。
入社の面接時に「土曜日休み」と聞いていたのに、毎週土曜出勤が当たり前。有給を申請すれば、上司から圧力をかけられ諦める。
「有給も休みも取れない会社」は「従業員の人生を大切にしない会社」です。
ちなみに私が働いていた会社は、「有給休暇制度」の説明自体ありませんでした。
1-3. 賃金が安い、サービス残業が常態化している
ブラック企業では、労働の対価が正当に支払われません。
私が在籍していた会社も、サービス残業が常態化しており、月に100時間以上残業しても残業代はゼロ。給与明細に記載されない「隠れ残業」が常態化し、時給換算すると最低賃金に満たない水準でした。
「安すぎる賃金」「サービス残業」はブラック企業の典型的な特徴です。
1-4. ハラスメントが横行している
ブラック企業ではハラスメントが日常的に蔓延しています。
上司の気分次第で「教育」という名の暴言もしばしば。よくある例は以下の通りです。
- 極端なノルマや達成できなかった際の罵倒、叱責
- 同僚や部下の前での人格否定
- 自爆営業の強制
- 容姿や服装への不適切なコメント
- 「お前の代わりはいくらでもいる」などの脅し
私の場合、1ヵ月で7万円分の「オレンジ」を自腹で購入させられた経験もあります。
1-5. 労働災害を隠ぺいしている
ブラック企業は従業員の安全や健康より会社の体裁や利益を優先し、以下のような労災隠ぺいをすることがあります。
- 負傷しても「業務外で負傷した」と言うよう指示された
- 労災の書類作成や申請を拒否された
- 「労災を申請したら評価を下げる」と脅された
これらの労災隠ぺいは重大な違法行為です。該当する場合は最寄りの労働基準監督署(労基署)に相談を。
いかがでしたか?
上記5つの特徴のうち、1つでも当てはまるものがある場合、ブラック企業の可能性が高いです。些細なことでもかまいませんので、日頃から社内の様子をメモしておきましょう。
ブラック企業に入社してしまった場合の対処法3選
「この会社、おかしいかも」と感じたら、放置せず早めに行動することが大切です。ここでは、ブラック企業に入社してしまった場合の具体的な対処法をお伝えします。
2-1. 会社以外の人に意見を求める
入社してすぐ、「この会社は何かおかしい」と感じた場合は、自分だけで悩まないようにしましょう。また、長くブラック企業にいると感覚が麻痺し、「自分が悪いのでは」「社会人なら我慢するものでは」などと思ってしまいます。
一度、信頼できる友人・家族・労基署など外部に相談し、客観的な意見をもらうことをおすすめします。
重要なポイントとして、「会社以外」の人に意見を求めるようにしてください。
同僚や先輩は「ブラック企業に染まっている」可能性があるため、思わぬところから相談した内容が上司の耳に入る恐れがあります。同じ会社の人に相談するのは、避けた方が賢明です。
2-2. 退職・転職を検討する
「辞めたら転職できない」「履歴書に傷がつく」と不安になりますが、ブラック企業にしがみついても得るものはありません。心身が疲弊してしまう前に、ハローワークや転職エージェントを活用し、退職・転職を検討してください。
しかし、「大前提」として焦った転職活動は禁物です。
15年前、前職を逃げるように退職した私は、焦って転職活動をしていました。事前調べをあまりしないまま面接を受け、入社したら「まさかのブラック企業だった」という事態に。
心と身体に余力があればいいですが、そうでない場合はゆっくり静養することをおすすめします。
2-3. ブラック企業の法的責任を追及する
「やられっぱなし」は許せない!というあなたへ。
労基署への相談、弁護士相談などが選択肢としてあります。
どちらも事前に以下のような証拠を集めておくことが重要です。
- 労働時間を記録(スマホ・ノート等)
- パワハラ発言を録音
- メールやLINEのやりとりを保存
長期間、ブラック企業に勤めていると心身ともに疲弊してしまいます。そのため、余裕のあるうちに準備しておくことが大切です。労基署は相談無料・守秘義務も徹底しているため、おすすめの方法です。
ブラック企業を事前に回避する方法3選
ここからは、新卒で入社した会社が「超ブラック企業」、転職した先も「ブラック企業」だった私の失敗談をもとに、今だからこそ伝えられるブラック企業を事前に回避する具体的な方法3選をお伝えします。
3-1. 転職エージェントを活用する
転職エージェントとは、転職を希望する求職者と、人材を求める企業の間に入り、転職活動をサポートするサービスです。求人動向や転職ノウハウに長けている担当者が在籍しています。自分では探せない非公開求人や企業の内情を知っていることもあり、効率的に転職活動を行うことができます。ブラック企業を回避するためにも残業時間、休日日数、ハラスメント防止体制など、希望条件を具体的に伝えてください。基本的に無料です。
私も利用したことがありますが、親切丁寧に対応してくれたおかげで、転職活動のハードルがぐっと下がりました。
私の場合、担当者との面談時に以下のことを伝えました。
- 現職を辞めたい理由(上司からのひどいパワハラ)← 1番の理由です
- 新しい職場の残業時間(月30時間以内が希望)← 現職は月45時間~60時間程度
- 休日について(月8日以上希望)
- 勤務地について(地元勤務で転勤なし)
- 給与について(現職と同等か8割程度は可)
よかったら参考にしてください。
3-2. 企業の口コミサイトをチェックする
「転職会議」や「OpenWork」などでの口コミサイトでは、実際に勤務している従業員の声を聞くことができ、勤務内容などのリアルな情報が得られます。ただし、100%正しいとは限りません。ひとつのサイトに書いてある意見を鵜呑みにするのではなく、複数サイトで比較することをおすすめします。
3-3. 求人情報の中身をよく確認する
同じ求人を2〜3ヵ月以上連続で出している、「アットホーム」「やるき重視」などのキーワードには要注意です。
私が以前勤務していた会社の求人紹介文にも「アットホーム」と記載されていましたが、実際入社してみると公私混同しており、「親睦会」と称した「上司接待」の飲み会に参加させられていました。
「やる気重視」も危険なキーワードです。いわゆる根性論ですべて片付けられます。成果が上がらないのは「やる気がないからだ」と無意味に怒られていました。
耳障りの良い言葉の裏に、隠れたリスクが存在しています。
まとめ「ブラック企業対策」
ブラック企業の特徴に少しでも心当たりがある場合は、自分ひとりで悩むのではなく、会社以外の信頼できる人や労基署などに相談することが大切です。
退職や転職活動を焦らずに準備し、必要に応じて労基署に相談するなど、自分を守る行動を取りましょう。疲れている場合は、無理をせずにゆっくり静養してください。
また、事前の情報収集(転職エージェント・口コミサイト・求人内容の確認)を徹底することで、ブラック企業を回避できる確率は大きく高まります。
自分の貴重な時間と健康を守るため、この記事で紹介した「特徴の見極め方」「対処法」「回避策」を、ぜひ実践してみてください。